「女王と一緒の埋葬やめて」デンマーク王配殿下、待遇に長年不満
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【8月4日 AFP】デンマーク女王マルグレーテ2世(Queen Margrethe、77)の夫、ヘンリック殿下(Prince Consort Henrik、83)が、死後は女王と並んだ墓に埋葬しないでほしいとの意向を示していることが分かった。デンマーク王室が3日、明らかにした。実現すれば、デンマーク王室の慣例を破る初の事例となる。
フランス出身のヘンリック殿下は、女王を補佐する格下の立場に追いやられているとかねて不満を口にしていた。生涯を通じて妻である女王と対等の待遇を受けていないのだから、死後も対等に扱われたくはないと述べたという。
デンマーク王室の広報責任者レーネ・バレビー(Lene Balleby)氏がデンマーク紙BTに語ったところによると、マルグレーテ女王もヘンリック殿下の意向を受け入れたという。
マルグレーテ女王が1972年に即位した際、ヘンリック殿下の称号は「王配」となり、国王とはならなかった。これにヘンリック殿下は落胆し、たびたび不満を口にしており、公務にも熱が入らなかったという。
とはいえ、ヘンリック殿下は埋葬場所にはデンマーク国内を希望している。バレビー氏は殿下について、「デンマークを愛しており、国のために50年以上務めてきた。そのため殿下はデンマークに埋葬されたいと考えている」と語った。
ヘンリック殿下は1934年6月11日、南仏ボルドー(Bordeaux)近郊のタランス(Talence)に生まれた。出生名はアンリ・マリー・ジャン・アンドレ・ド・ラボルド・ド・モンペザ(Henri Marie Jean Andre Count de Laborde de Monpezat)。外交官として英ロンドン(London)に駐在中、当時は王太子だったマルグレーテ女王と出会った。
結婚に際し、名前をデンマーク風のヘンリックに変更。カトリックからプロテスタントに改宗し、フランス国籍を捨ててデンマーク人となった。昨年1月、公務から引退していた。(c)AFP