イスラエル首相、アルジャジーラ追放検討 聖地めぐり「暴力扇動」
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【7月27日 AFP】ユダヤ教とイスラム教、双方の聖地があるエルサレム(Jerusalem)の旧市街(Old City)の警備強化をめぐってパレスチナ人らが反発し、抗議や衝突が激化している問題で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は26日夜、対立をあおっているとして、カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ(Al-Jazeera)」をイスラエルから追放したい意向を示した。
ネタニヤフ首相はフェイスブック(Facebook)への投稿で、「アルジャジーラは『神殿の丘(Temple Mount)』をめぐる暴力を扇動し続けている」と非難。「エルサレムにあるアルジャジーラの事務所を閉鎖するよう、複数回にわたって法執行機関に求めてきた。法解釈によりそれができないなら、アルジャジーラをイスラエルから追放するのに必要な法整備に取り組む」と述べた。
ユダヤ教徒が「神殿の丘」と呼ぶ聖地は、イスラム教徒にとっても「ハラム・シャリーフ(Al-Haram Al-Sharif)」と呼ばれる聖地で、「アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)」と「岩のドーム(Dome of the Rock)」がある。
イスラエル当局は、今月14日に警官2人が襲撃・殺害される事件が発生したことを受けて、聖地の入り口に金属探知機や柵、監視カメラなどを設置する警備強化策を導入し、緊張が高まっていた。聖地への立ち入りを禁止されたイスラム教徒らは、1週間以上にわたって門の外の路上で祈る抗議行動を続けている。
イスラエル当局は25日に金属探知機を撤去したが、パレスチナ人側は抗議を続行。イスラエルの対応次第ではさらなる混乱も懸念される中、当局は27日未明、聖地の入り口の少なくとも1か所から柵や監視カメラの足場なども撤去した。
ただ、この措置を受けてイスラム教徒らが聖地への立ち入りを認められるかどうかは不明。27日早朝、柵などが撤去された聖地の門の前にはパレスチナ人らが集まり、口笛を吹いたり車のクラクションを鳴らしたりして祝う姿が見られた。(c)AFP/Mike Smith/Joe Dyke