【7月22日 AFP】中国当局が、カナダ人歌手ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)さん(23)について「素行の悪さ」を理由に中国公演を歓迎しない姿勢を示している。ビーバーさんは2014年に日本の靖国神社(Yasukuni Shrine)を訪れたことで、多くの中国人ファンを怒らせたことがある。

 北京市文化局(Beijing Municipal Bureau of Culture)は声明で、2013年を最後に中国で公演を行っていないビーバーさんについて、再度中国で公演を行いたければたくさんの成長が必要だと注文を付けた。

 ビーバーさんの熱狂的なファンたちが、同局のウェブサイトにビーバーさんの次の中国訪問がいつ実現するのかを問うコメントを投稿したことを受けて発表された声明は「芸能に不品行を持ち込むのは不適切だ」「われわれはジャスティン・ビーバー氏が成長の過程でその言動を改め、人々から真に好かれる歌手になることを願っている」と述べている。

 同局は具体的には触れていないが、ビーバーさんは2014年に東京の靖国神社を訪れ、中国人ファンの間で物議を醸した。このことを許していないファンは今もいる。中国版ツイッターの「ウェイボー(微博、Weibo)」のあるユーザーは「靖国神社を訪れた人物は誰であれ腹立たしい」と投稿し、これに同調して「彼(ビーバーさん)は来ない方がいい。問題児だから」という投稿もあった。

 政治的な意思表示を理由に中国での公演を禁止されたことがある欧米の著名ミュージシャンは少なくない。2015年には米ポップバンド「マルーン5(Maroon 5)」が、メンバーの1人がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世と面会したことを理由に中国当局から公演の許可を拒否され、公演を中止した。また同じ年には、ダライ・ラマの映像を過去にコンサートで使用した米ロックグループ、ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)も中国公演を中止している。

 中国当局は、2008年にアイスランド人歌手ビョーク(Bjork)が上海(Shanghai)での公演で披露した曲の中で「チベット」と連呼して以降、ライブコンサートの開催には特に慎重になっている。(c)AFP