【7月22日 AFP】南米ベネズエラの検察は21日、この数か月にわたる反政府デモの死者が100人を超えたことを発表した。ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領と野党は政治的なこう着状態を強めており、社会的混乱が増大している同国に国際社会は懸念を募らせている。

 4月以降の反政府デモの死者数は103人に増加したことが分かった。これにより、産油国でありながら貧困率が増大しているベネズエラの社会的混乱が改めて浮き彫りにされる形となった。

 マドゥロ大統領は、7月30日に新憲法を制定するための制憲議会議員選挙(定員545人)を実施すると断言しているが、米国は同大統領が選挙の実施を強行するなら経済的措置を講じると警告しており、同国はますます混迷を極めている。

 国連(UN)、欧州連合(EU)、米州機構(OAS)、カトリック教会、中南米の主要各国もマドゥロ大統領に対して、憲法改正計画を見送り、野党勢力と話し合いを持つよう呼び掛けている。

 しかしこれまでのところ、マドゥロ大統領および同政権側には、憲法改正への道筋を変えようとする兆しは見られない。

 20日には野党主導のゼネストが全国で行われ、首都カラカス(Caracas)をはじめとする各都市の大半がまひ。抗議運動の参加者と機動隊が激しく衝突した。ベネズエラ当局による市民の勾留を監視するNGO、フォロ・ペナル(Foro Penal)によると、この24時間のゼネストで261人が逮捕された。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ