米シカゴ有力紙、1ドルで身売り 紙媒体の苦境続く
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【7月14日 AFP】米イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)で発行が続けられている日刊紙としては最も古いシカゴ・サンタイムズ(Chicago Sun-Times)が13日、投資家グループに身売りしたことを明らかにした。他メディアの報道によると、売却額はわずか1ドル(約113円)。読者がインターネットのニュースサイトに流れ、不振にあえぐ米新聞業界の現状を改めて浮き彫りにした。
シカゴ・サンタイムズは1844年創刊のシカゴ・デーリー・ジャーナル(Chicago Daily Journal)が前身。1948年に地元2紙との合併によって今の名前に代わった。シカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)とともに地元2大紙として知られ、米新聞界最高の栄誉とされる「ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)」をこれまでに8回受賞している。
シカゴ・サンタイムズは13日付の紙面で、元シカゴ市議会議員が主導し複数の労働組合も加わった投資家グループに買収されたと伝えた。詳細については明らかにしていないが、シカゴ・トリビューンなどによれば売却額は1ドルだったという。
今年に入り、シカゴ・トリビューンの親会社がシカゴ・サンタイムズの買収を提案したが、地元2大紙が統合すれば独占が生まれるとして司法当局が反対していた。
シカゴ・サンタイムズによると、投資家グループは新聞の発行を継続するため1120万ドル(約12億7000万円)の運転資金を負担する必要がある。
シカゴ・サンタイムズの現在の親会社は2011年に、同紙を推定2000万ドル(約22億7000万円)で買収していた。(c)AFP