【7月13日 AFP】ドイツ政府は12日、国内の戦略的部門の企業を欧州連合(EU)域外の投資家が買収する際の監視を強化することを閣議決定した。経済・エネルギー省が発表した。欧州で中国企業などによる買収への懸念が広がっていることに対応した。

 新規制によって、特に重要インフラに関わる部門の買収案件の審査期間が長くなる。当局による審査の対象となる買収案件の範囲も広がり、電力供給網や原子力発電所、上水道、通信網、病院、空港といった戦略的部門にサービスやソフトウエアを提供する企業が新たに加わる。

「重要な技術」の製造や開発に関わる防衛企業でも、新規制の対象となる企業が増える。

 欧州では中国家電大手の美的集団(Midea Group)が昨年行ったドイツのロボットメーカー、クーカ(Kuka)の買収に代表されるように、中国企業による買収が相次ぎ、不安が高まっている。

 さらに、米電気自動車(EV)メーカーのテスラ(Tesla)がドイツの自動車部品メーカー、グローマン・エンジニアリング(Grohmann Engineering)を買収するなど、中国以外の国の企業による買収への懸念も広がっている。

 グローマン・エンジニアリングは買収前にはドイツ自動車大手のBMWやダイムラー(Daimler)に部品を供給してきたが、買収後は製品の大半をテスラに供給している。(c)AFP