【7月7日 AFP】インドネシア・スマトラ(Sumatra)島の片田舎の村で15歳の少年が73歳の女性と恋に落ち、このほどめでたく「結婚」した。2人は縁組を認めてもらえないなら心中すると周囲を脅していたという。結婚式の様子を映した動画はソーシャルメディアで拡散し、異例の「年の差婚」に国中が沸き立った。

 晴れて結ばれたのは、新郎セラメト・リヤディ(Selamet Riyadi)さんと新婦ロハヤ・ビンチ・キアガス・ムハマド・ジャクファー(Rohaya Binti Kiagus Muhammad Jakfar)さん。

 2人が住む南スマトラ(South Sumatra)州カランエンダー(Karang Endah)村のシク・アニ(Cik Ani)村長の話では、ロマンスのきっかけはリヤディさんが感染症のマラリアにかかったときに、隣人のジャクファーさんに看病されたことだったという。

 アニ村長はAFPの取材に「セラメトは結婚するには若すぎるのだが、(結婚を認めてくれなければ)死んでやると言い張るものだから、仕方なく2人を結婚させることにした」と説明。地元当局も2人が「姦通の罪を犯さない」ようにしてもらいたいと考えていたという。

 アニ村長によると、リヤディさんが未成年であるため、私的な結婚という形をとることにした。インドネシアの法律では、結婚できる年齢は男性が19歳、女性が16歳からと定められている。

 リヤディさんは父親を数年前になくし、その後再婚した母親からは十分に面倒をみてもらえなかった。一方、ジャクファーさんは2回結婚しているが、いずれも離婚。結婚生活の間に少なくとも1人の子どもを産んでいる。そして今回「童貞の新郎を得た」(アニ村長)。

 結婚式は2日、地元カランエンダー村で行われた。辺地にある村の出来事にもかかわらず、2人が誓いをする場面を映した動画はソーシャルメディアで拡散し、全国規模で反響を呼んだ。

 式の後、新婦ジャクファーさんは報道陣に「彼は私にぞっこんだと言ってくれるんです。私たちは愛し合っています」とのろけてみせた。(c)AFP