【7月5日 AFP】フランスのエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は4日、国民議会(下院)で施政方針演説を行った。向こう5年で法人税を33%から25%に引き下げるほか、今年の公的支出を5000億円余り減らす計画を打ち出した。国内への投資を拡大し、借り入れ依存からの脱却を図る狙いだ。

 フィリップ首相による施政方針演説は、5~6月に行われた大統領選と議会選の後初めて。法人税の引き下げに関しては「国内で起業して成長したいと思えるようにしなければならない」と説明した。

 首相はフランスの公的債務残高が国内総生産(GDP)に匹敵する2兆1000億ユーロ(約269兆8000億円)に膨れ上がっていると指摘。「公的支出依存症」への対処が最優先だと語り、当選したばかりの議員らに「どんどん鳴動が大きくなる火山の上で踊っている」ようなものだと警鐘を鳴らした。

 現在、フランスの公的支出はGDP比で56%と、欧州連合(EU)加盟国の中で最高水準となっている。これを3ポイント削り、今年の財政赤字をEUが上限として定めるGDP比3%まで減らす方針。実現すれば10年ぶりとなる。

 ただ、目標達成のために必要となる約40億ユーロ(約5140億円)の公的支出削減について詳しくは語らず、減税の一部を先送りにするとだけ明かした。

 演説後にはエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権に対する信任投票も行われ、賛成370票、反対67票で信任された。129人が棄権した。

 一方、極左政党「左翼党(Left Party)」のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)党首は、マクロン政権が「フランスを衰退させ、ギリシャを締め付けている」リベラルなEU寄り政策を推し進めていると痛烈に批判した。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT and Clare BYRNE