【7月3日 AFP】スリランカで蚊が媒介する感染症「デング熱」が猛威を振るっている。保健省によると年初から6月までの死者は過去最多の215人に達し、感染者も7万1000人を超える。最大都市コロンボ(Colombo)のごみ山崩落に伴うごみ収集の遅れや先月の洪水などを受けて、衛生状態が悪化していることが拡大の一因とみられている。当局は2日、蚊の発生場所の除去に数百人規模の兵士を動員したと明らかにした。

 今回のデング熱拡大はスリランカで過去に前例のない勢いをみせている。昨年は通年で死者78人、感染者5万5000人だった。

 こうしたなか、軍の部隊は警察や保健当局とも協力して、感染源となる「ホットスポット」を見つけて殺虫剤を散布する作業を集中的に行う作戦に乗り出した。

 当局が感染拡大の一因として指摘するのがコロンボでの「ごみ危機」だ。同市では4月に32人が死亡するごみ山の崩落事故が発生。ごみの運搬先を失った結果、収集が大幅に遅れ、路上にごみが山のように放置されている。これによって蚊が繁殖しやすくなっているという。

 このほか、湿度の高い気候や、5月に発生した洪水の水の一部が残っていることも感染拡大の要因とみられている。(c)AFP