朝鮮戦争中に盗まれた朝鮮王朝の印章、米国から韓国へ返還
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【7月1日 AFP】米国を公式訪問した韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)大統領について、聯合(Yonhap)ニュースは1日、同大統領が、朝鮮戦争(Korean War)中に盗まれた朝鮮王朝時代の国の印章「国璽(こくじ)」2つを持って帰国すると報じた。
16~17世紀に作られたこれらの印章は、1950~53年の朝鮮戦争中に盗まれたとされ、韓国政府が何年も前から返還を求めていた。
聯合ニュースによれば、文大統領は先月30日に米首都ワシントン(Washington D.C.)で行われた式典で印章を受け取り、2日に韓国に帰国するという。
1392年から1910年まで続いた朝鮮王朝。2つの印章のうち1つは、11代国王、中宗(Jungjong)の第3王妃のために、1547年に作られた。もう1つのひすい製で1651年、17代国王、孝宗(Hyojong)の王子が皇太子になった記念に作られた。
2つの印章は、韓国政府が盗まれたものだと確認した後、2013年に米当局が押収し管理していた。
米政府が韓国の文化財を返還するのはこれで3度目。2013年に米国は、韓国で19世紀後半に作られた最初の紙幣印刷用の版木を返還。その翌年には大韓帝国時代の印章9つを返した。
1910~45年の日本の植民地支配の時代と朝鮮戦争の際に、数多くの文化的遺産が朝鮮半島(Korean Peninsula)から海外へ持ち出された。(c)AFP