【7月1日 AFP】中国当局は6月30日、インターネットの動画内容に関する新たな規制を施行し、動画ストリーミングを行うサイトに対してさまざまなプログラムを削除するよう命令を下し、国内のインターネット法規制をさらに厳格化した。

 同国当局が今回の規制で標的にしたのは、映画やドラマ、アニメで「同性愛など『異常な』性的関係や行為を描いた」作品だという。

 新しい規制では、ネットの動画サイトは全動画を最初から最後まで視聴する少なくとも3人の「プロの検閲者」を雇用し、「政治的・芸術的な正しい基準」を満たしていない内容を削除しなければならない。

 また当局ではネットのプロバイダーに対し、「国民に焦点を当て、社会主義的な価値観と中国の文化を促進する」プログラムの作成を呼び掛けている。

 中国では先月、数十に及ぶ有名人のゴシップブログを「民衆の低俗な好みを満たすもの」として閉鎖していた。

 米国に拠点を置き、人権と民主主義を推奨する非営利団体「フリーダム・ハウス(Freedom House)」は昨年、中国を世界で「最もネットの自由を制限する(国家)」と認定しており、習近平(Xi Jinping)国家主席政権による「情報の安全」政策の下で、ネット上における表現の自由が抑圧され続けていると指摘する。

 フェイスブック(Facebook)やユーチューブ(YouTube)、ツイッター(Twitter)などのサイトへのアクセスを遮断している中国の厳しいネット閲覧規制は、「万里のファイアウオール(Great Firewall)」として知られている。(c)AFP