【6月30日 AFP】フランス・パリ(Paris)で29日、世界最大の新興ハイテク企業振興施設「スタシオンF(Station F)」が開設した。落成式には、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領も出席し、欧州のハイテク都市となるという同市の野望に一歩近づいた。

 パリ13区セーヌ(Seine)川近くにある1920年代の鉄道車両基地跡につくられたスタシオンFは、国立図書館の隣に位置する総面積3万4000平方メートルのコンクリートとガラスの新たな企業振興施設だ。

 スタシオンFでは最大1000社を収容可能で、米アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)、フェイスブック(Facebook)、仏ゲーム大手のユービーアイソフト(Ubisoft)などハイテク大手からのアドバイスも受けられる。

 落成式に出席したマクロン氏は、約2000人の投資家や起業家、IT学生らを前に「今日ここに集まった人々を結び付けているのは、自分の物語を、そして自分の国の物語を他人に書いてもらいたくないという意思。それが起業家というもの」と祝辞を述べ、政界の部外者が大統領となった自らの驚くべき経験を振興起業の創立者になぞらえた。

 用意されたワークステーションは3000以上で、賃料は月額195ユーロ(約2万5000円)。バーやレストランなどの飲食施設や講堂、会議場も複数ある。

 スタシオンFはパリにある約40の振興施設では最大。今後、英ロンドン(London)や独ベルリン(Berlin)と欧州ハイテク都市の称号を競うことになる。(c)AFP/Clare BYRNE