【6月30日 AFP】シーズンに途中で別れを告げることになった衝撃の準決勝敗退から1年―史上最多8度目のタイトルと大会最年長王者を目指すロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)に帰ってくる。

 今年8月で36歳を迎えるフェデラーだが、前回大会ではミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)にフルセットで屈すると、批評家の間からは「過去の人」との声が上がった。センターコートでの敗戦後、フェデラーは痛めた膝を休めるため、残り試合の全休を発表した。それからはや1年。フェデラーは肩を並べるピート・サンプラス(Pete Sampras)氏のウィンブルドン通算7勝を超えるとともに、自身の四大大会(グランドスラム)勝利数を19に更新しようとしている。

 長年のライバルであるアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が長期にわたり深刻なスランプに陥っているだけでなく、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も芝コートにおける膝への不安がぬぐい切れない中、先頭に立っているのは紛れもなくフェデラーだ。

 1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)で自身5度目の優勝を果たしたフェデラーは、前哨戦ゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2017)で手にした9度目のタイトルを引っ提げてウィンブルドンに乗り込む。

 同大会決勝では15歳年下で自身の後継者となる可能性もあるアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)を圧倒し、約3か月ぶりの実戦復帰戦で苦杯をなめた1週間前のメルセデス・カップ(MercedesCup 2017)から復活を印象付けた。

 メルセデス・カップでの初戦敗退は、マリオ・アンチッチ(Mario Ancic)氏に敗れた2002年のウィンブルドン以来、得意のグラスコートでは初めてのことだったが、ドイツ・シュツットガルト(Stuttgart)での黒星は良いタイミングだったとフェデラー本人はとらえている。

 今シーズンはわずか2敗しか喫していないフェデラーは、優勝を決めた試合後「正直言って自分を少し疑っていた。芝で15年ぶりに初戦敗退を喫すれば、少し揺さぶられて当然だし、実際にそうなった」と語った。

「すぐに立て直してそれ(敗戦)を忘れ去り、前に進むだけでなく、自分が芝で良いプレーをできるんだということを思い出せてうれしい」