【6月28日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は27日、2018年と2022年のW杯招致活動における不正疑惑の調査報告書を公式ウェブサイトで全面公開した。

 FIFAはこれまで、米国人独立調査官のマイケル・ガルシア(Michael Garcia)氏がまとめた400ページにわたる調査報告書を全面公表することを拒否していたが、報告書を入手した独紙ビルト(Bild)が26日、FIFA職員の10歳の娘に200万ドル(約2億2400万円)もの大金が送金されていると報じたことで、公開を余儀なくされた。

 FIFAは声明を発表し、以前からガルシア氏の調査報告書の全面公開を検討していたが、ビルト紙が不正に入手した文書の内容を報じたため、誤解を招く情報の拡散を避けるために報告書の公表前倒しを決断したとしている。

 FIFAは当初、調査報告書の概要を約40ページにまとめて公表していたが、ガルシア氏は自身が提出した報告書をFIFAが「不完全で間違いだらけ」のものにしたと抗議し、2014年12月に調査部会の責任者を辞任した。

 カタールは2010年12月のFIFA総会で2022年大会の開催地に決定したが、それ以降この投票結果は大きな物議を醸している。

 ガルシア氏の調査を受け、FIFA倫理委員会の裁定部門は招致活動のプロセスに疑わしい行為があったとしながらも、2022年大会がカタール、2018年大会がロシアで行われることになった決定に疑問を投げかけるほどのものではなかったとしていた。(c)AFP