【6月27日 AFP】ブラジルの検察当局は26日、ミシェル・テメル(Michel Temer)大統領を収賄罪で最高裁に起訴した。テメル氏は現職のブラジル大統領として初めて刑事訴追されたことになる。正式に受理されれば6か月の職務停止となり、政界が長期の混乱に陥る可能性もある。

 ロドリゴ・ジャノー(Rodrigo Janot)検事総長は声明で、テメル氏が賄賂を受け取ったことを示す「十分な」証拠があると述べ、「国家や社会への義務に違反」する行為をしたと非難している。司法妨害や犯罪組織と関わっていた容疑でも捜査しているという。

 起訴が正式に受理されるには下院議会の3分の2以上が賛成する必要があるが、与党が多数派を握っていることを踏まえ、テメル氏の側近らは正式受理の回避に自信を見せている。

 既にテメル氏の元側近は、多額の現金が入ったスーツケースを所持していたとして逮捕されているが、ブラジル検察は、この現金が食品大手JBS経営陣からテメル氏への賄賂だと主張。ジャノー検事総長は最高裁に提出した訴状の中で、テメル氏が賄賂として50万レアル(約1700万円)を受け取っていたと指摘している。(c)AFP/Damian WROCLAVSKY