海面上昇、過去20年で加速 グリーンランド大きな要因に 研究
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【6月27日 AFP】2014年の海面上昇のペースは、1993年比で50%速くなっており、またグリーンランドの氷床融解が海面上昇に与える影響の割合も同期間に5%から25%に増加した。研究論文が26日、発表された。
今回の研究結果は、世界的な海面上昇がほんの数年前の予想よりも速く進んでいるとする科学者らの懸念を裏付けるもので、壊滅的な結果がもたらされる恐れもある。グリーンランドには、海面を約7メートル上昇させるだけの氷があるとされる。
英オックスフォード大学(University of Oxford)のピーター・ワドハムズ(Peter Wadhams)教授(海洋物理学)は、「国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)では、今世紀末までの海面上昇について(60~90センチと)極めて控えめな予測をしているため、今回の研究結果は極めて大きな意味を持つ」と指摘する。ワドハムズ氏は、今回の研究には参加していない。
同氏はまた、IPCCの推測が、海面上昇が今後も一定のペースで進むと仮定した場合のものであることにも触れた。
英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に掲載された今回の論文では、海面上昇に関する2件の異なる測定法を初めて同時に用いた。
1つは、地球温暖化による海洋の膨張、陸域貯水量の変化、グリーンランドや南極の氷河や氷床からの氷の消失、といった3要因の個別の調査。もう1つは、衛星を用いた地表高の宇宙からの測定だ。
結果、海面上昇のペースは、1993年に年平均約2.2ミリだったのに対し、その20年後には同3.3ミリに上昇していた。
その一方で、1990年代前半には海水の熱膨張が海面上昇の原因の半分を占めていたのに対し、20年後にはわずか30%となっていたことも研究チームは突き止めた。
この結果について、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)グランサム研究所(Grantham Institute)のブライアン・ホスキンズ(Brian Hoskins)氏など一部の研究者は、世界の温暖化が終息した後も海面上昇が続くことを意味しているとし、重大な警告として受け止めるべきと注意を促している。(c)AFP/Marlowe HOOD