スペイン巨匠ダリに娘? 裁判所、鑑定のため遺骨掘り起こしを命令
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【6月27日 AFP】スペインの裁判所は26日、世界的な名声を誇るスペインの巨匠画家、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)の娘を名乗る女性からの申し立てを受け、DNA鑑定のためダリの遺骨を掘り起こすよう命じた。
ダリの一人娘だと主張しているのは、同国北東部カタルーニャ(Catalonia)州ジローナ(Girona)出身のピラル・アベル(Pilar Abel)さん(61)。ダリは20世紀の画家の中でも特に有名で多数の作品を残しており、アベルさんがダリの唯一の子と認められれば、莫大な遺産の一部の相続権が生じる可能性がある。
マドリード(Madrid)の裁判所はダリの遺骨掘り起こし命令について、ダリがアベルさんの生物学上の父親かどうかを鑑定するため、遺骨のサンプルを採取するためと説明した。
芸術家としての卓越した才能に加え、その奇抜さと浪費癖でも知られたダリは1989年1月、カタルーニャ州フィゲラス(Figueras)で心不全により死去。市内にあるダリ劇場美術館(Dali Theatre-Museum)に埋葬されている。
メディアはアベルさんについて、霊媒師と報じている。本人の説明によると、アベルさんの母親は同州カダケス(Cadaques)付近の小さな漁村、ポルトリガト(Port Lligat)に休暇に訪れたある一家の子守として雇われたことがあり、その間にダリと関係を持ったという。カダケスはダリが長年暮らし、創作活動を行った場所だ。
アベルさんは2015年、同州テレビ局TV3に対し、「祖母から『お前は私の息子の子ではないと知っている。お前の父親は偉大な画家だった』と聞かされた。祖母はその画家の名をダリだと言っていた」と語っている。さらに、アベルさんの母親自身もこれが事実であることを認めたという。
今回の裁判所命令を受けて、ダリの遺産を管理するガラ・サルバドール・ダリ財団(Gala-Salvador Dali Foundation)は声明を出し、「近日中」に控訴する意向を示している。(c)AFP/Laurence BOUTREUX