【6月22日 AFP】失明を引き起こす眼病「黄斑変性」の進行を、試験的薬剤で有意に抑制できる可能性があることを示した研究論文が21日、発表された。この種のものとして初めて治療法の開発につながることが考えられる成果だという。

 黄斑変性をめぐっては、まだ決定的な治療法が存在しておらず、60歳以上での失明原因のトップとなっている。網膜に損傷を引き起こす「地図状萎縮」として知られる症状を伴い、世界の患者数は500万人以上に上る。

 米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)に発表された最新研究によると、薬剤「ランパリズマブ(lampalizumab)」の臨床試験では、損傷の拡大が20%抑制され、光感知細胞の破壊を食い止めることができたという。

 今回の18か月間に及ぶフェーズ2(第2相)臨床試験では、患者129人を対象に、ランパリズマブ抗体の安全性と有効性を検査した。

 論文によると、この治療では重篤な副作用は生じなかったという。

「CFI+」として知られる特定の遺伝子マーカーを持つ患者グループでは、ランパリズマブによって症状の進行が44%抑制されることが臨床試験で分かった。一方、遺伝子マーカー「CFI-」を持つ患者の一部では治療効果が認められなかった。

 患者936人を対象とする2つの第3相臨床試験については、2019年に結果が得られる見通しだ。(c)AFP