【6月22日 AFP】米国防総省がアフガニスタン軍向けに森林迷彩柄の軍服を購入したのは、無計画で、最大2800万ドル(約31億円)にも上る浪費だったと指摘する報告書を21日、米政府のアフガニスタン復興担当特別監察官 (SIGAR)が発表した。森林迷彩柄は、緑の少ないアフガニスタンではかえって敵に見つかりやすくなる恐れがあると批判している。

 SIGARによると国防総省は、2007年に濃緑色の迷彩服の購入を決めた際、2800万ドルを不要に支出した可能性があるという。

 報告書では、国防総省の当局者らが独自の迷彩柄を展開している民間企業のウェブサイトを「偶然見つけ」、アフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク(Abdul Rahim Wardak)国防相(当時)にデザインを見せたとされる。ワルダク氏は「一目見て気に入り、特に森林迷彩柄、都市迷彩柄、温帯用迷彩柄に興味を示した」という。

 アフガニスタンの森林面積は国土のわずか2.1%にすぎない。しかし、米国防総省はアフガン国防省と協議した結果、森林迷彩柄をアフガン軍の軍服に採用すると決定。2008年11月~2017年1月に軍服136万4602着、予備のズボン8万8010着を購入した。

 SIGARは、国防総省の当局者らが規則で求められた試験や評価を行わずに発注した点を厳しく批判している。

 報告書をまとめたジョン・ソプコ(John Sopko)特別監察官は、米紙USAトゥデー(USA Today)に対し「ばかげている」とコメント。「もしアフガニスタンの国防相が紫やピンクが好きだったら、どうするのか。おかしいとも思わずにピンクの迷彩服を買うのか?」と述べた。(c)AFP