【6月21 日 AFP】男女の給料の格差において、ファッション業界は珍しい例外と言えるだろう。同じ仕事でも、女性モデルは男性モデルより多くの収入を得ている。

 16日までミラノ(Milan)で開催されていたメンズファッションウィークでは、褐色の肌を持つ何十人もの男性モデルがキャットウォークを歩いていた。だが彼らが、女性のトップモデルたちと同等の名声や収入を手にすることは夢でしかない。

 ジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)やケイト・モス(Kate Moss)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)といったモデルたちがファッション界だけにとどまらず、一流セレブリティとしてみなされる一方で、米国出身のショーン・オプライ(Sean O'Pry)や英国出身のデビッド・ギャンディ(David Gandy)といった男性モデルらに一般的な知名度はない。

 ギャンディは「女性が男性よりも多くを稼ぎ、より良い待遇を受ける唯一の業界で働く羽目になった」と語る。「撮影でのヒエラルキーはフォトグラファー、女性モデル、スタイリスト、アシスタントたち。そして最下位に男性モデルだ」

 社会におけるファッションを専門とする社会学者、フレデリック・ゴダール(Frederic Godart)はAFPの取材に対し、こう解説する。「メンズとレディースのデザイナーズブランドのマーケットは、それぞれ同額のおよそ300億ドル(約3兆3465億円)の売り上げを出しているが、ファッションが主として女性向けの産業であることに変わりはない」