ポルトガル森林火災、地獄と化した国道 「どこもかしこも炎の海」
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【6月19日 AFP】ポルトガルで少なくとも62人の犠牲者を出した大規模な森林火災で、自家用車に乗車中に辺り一面を炎に囲まれたルイス・プリオール(Luis Prior)さん(55)は正面突破を試み何とか脱出に成功、辛くも一命を取りとめた。
しかし、プリオールさんのような人ばかりではなかった。森林地帯で炎が燃え広がる中、国道236号は地獄の道と化し、そこで大勢の人々が命を落とした。
この国道は、同国の都市フィゲイロドスビーニョス(Figueiro dos Vinhos)とカスタニエイラデペーラ(Castanheira de Pera)をつないでいる。ポブライス(Pobrais)村付近では18日午後、黒焦げになった車両少なくとも10台前後が道路をふさぎ、その周りには当局により規制線が張られていた。
銀行員のプリオールさんは、義理の兄(弟)とともにビラファカイア(Vila Facaia)を訪れた帰り道に森林火災に遭遇し、暴風にあおられて突然燃え上がった炎から必死に逃げたという。
■「どこもかしこも炎の海」
プリオールさんによると、およそ10分の間に辺りは一面炎に包まれたという。
「私たちは逃げ場所を求めて進行方向を変えてみたが、どこもかしこも火の海だった」、「私はついに自分の車を乗り捨てて義理の兄(弟)の車に飛び乗り、いちかばちか炎の中でひたすら車を走らせた」
そして1~2キロ走るとようやく、炎の外の安全な場所に出ることができた。途中、消防士の姿は確認できなかったと2人は話す。