ラッカ奪還戦、空爆で民間人300人死亡 国連「極度の危険」警告
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【6月15日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「首都」と位置づけるシリア北部ラッカ(Raqa)の奪還作戦をめぐり、国連(UN)のシリアに関する独立国際調査委員会(COI)は14日、米主導の有志連合による空爆によって「膨大な数」の民間人が犠牲になっていると警告した。これまでに民間人少なくとも300人の死亡が確認されているが、実際にはさらに多くの犠牲者が出ているもようだという。
COIのパウロ・セルジオ・ピネイロ(Paulo Sergio Pinheiro)委員長は記者団に「(ISによる)圧政によって(ラッカ)市内に取り残されている民間人は、激しい空爆によって極度の危険にもさらされている」と訴えた。
COIは、有志連合が3月1日以降、クルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」を支援するためにラッカ県で実施した空爆による民間人の死者を記録。確認した300人のうち、200人は3月21日にラッカ市近郊の村に対して行われた空爆による犠牲者だという。
ピネイロ氏はこれに先立ち国連人権理事会(UN Human Rights Council)で、ラッカでは有志連合の空爆に関連して民間人16万人が自宅を追われたと報告している。(c)AFP/Agnès PEDRERO