【6月15日 AFP】昨年の米大統領に対するロシアの干渉疑惑の捜査を指揮しているロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が、司法妨害の疑いでドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領本人に対する捜査に乗り出したことが分かった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が14日、匿名の当局者らの話として報じた。ロシア疑惑に対する捜査は重大な転機を迎えた。

 同紙によると、トランプ氏が司法妨害を行おうとしたかどうかの捜査に関連し、ダニエル・コーツ(Daniel Coats)国家情報長官やマイク・ロジャース(Mike Rogers)国家安全保障局(NSA)長官を含む情報機関幹部が、モラー氏のチームの捜査官による聞き取りに応じることに同意した。聞き取りは週内に行われる見通し。

 同紙によると、ロシア疑惑の捜査がトランプ氏本人に対する捜査を含む方向に移行したのは、トランプ氏が5月9日にジェームズ・コミー(James Comey)連邦捜査局(FBI)長官を解任してから数日後だという。

 モラー氏が関心を寄せている出来事の一つが3月22日のやり取り。コーツ国家情報長官が側近らに、ロシア疑惑に対するFBIの捜査対象からマイケル・フリン(Michael Flynn)国家安全保障担当大統領補佐官(当時)を外すようコミーFBI長官(同)に働きかけてほしいと、トランプ大統領から求められたと語ったとされる。

 トランプ氏は、自身や側近がロシア側と共謀した事実は一切ないとしている。(c)AFP