【6月11日 AFP】(写真追加)在フィリピン米国大使館は10日、フィリピン南部の都市マラウィ(Marawi)で、米特殊部隊がフィリピン軍を支援していることを明らかにした。一方、フィリピン軍は9日に起きた新たな戦闘でフィリピン海兵隊員13人が死亡したと発表した。

 イスラム教徒が大多数を占めるマラウィを先月23日に襲撃してイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の黒い旗を掲げ、住民を人間の盾にして防空トンネルや対戦車兵器を使用する数百人の戦闘員に対し、フィリピン軍は苦戦を強いられている。

 9日には市街地で激しい銃撃戦があり、フィリピン軍のエドガルド・アレバロ(Edgardo Arevalo)報道官によると海兵隊員13人が死亡し、フィリピン軍側の死亡者が大幅に増えた。

 AFPのビデオジャーナリストによると、9日にはこのほか同市のモスク(イスラム教礼拝所)で金曜礼拝に参加していた15歳の少年が、近くで起きた小規模な戦闘の流れ弾に当たって死亡した。

 9日はフィリピン空軍が地上部隊支援のためマラウィの一部を空爆するなど、同市の戦闘としては最も激しい規模のものなった。アレバロ報道官は、14時間に及んだ戦闘でおよそ40人の海兵隊員が負傷したと述べた。

 マラウィでの戦闘の激化を受け、同国首都マニラ(Manila)の在フィリピン米国大使館は声明を発表し、「フィリピン政府の要請により、米特殊部隊がマラウィで続行中の作戦において(フィリピン軍を)支援している」と明らかにしたが、安全上の理由から詳細についての言及は避けた。(c)AFP