【6月11日 AFP】陸上、レーサーズ・グランプリ(Racers Grand Prix)は10日、ジャマイカ・キングストン(Kingston)で行われ、ウサイン・ボルト(Usain Bolt)は母国での最後のレースに臨み、献身的なファンたちとの感動的な別れのパーティーで盛り上がった。

 8月の第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)をもって引退するボルトは、「レジェンドに敬礼」と銘打たれた男子100メートルに臨んだ。ボルトが2002年に初の国際舞台に臨んだ場所でもある当地の国立競技場(National Stadium)には、およそ3万人が詰め掛けた。

 自身が持つ世界記録を大きく下回る10秒03という記録ながら、ボルトは快勝を収めるとビクトリーランでトラックを一周し、第5レーンのフィニッシュラインに口づけをすると、代名詞の「ライトニング・ボルト」のポーズを決めた。

 ボルトは、「100メートルを走るのにこれほど緊張したことはなかったと思う。観客のみんなの雰囲気でだ。ここにやってきたみんなの声援で、狂いそうだった」と振り返った。

「言葉もない。世界ジュニアから現在に至るまで、ジャマイカから素晴らしい応援を受けてきた。陸上競技でこれほどの高みに到達できるとは考えていなかった。200メートルで五輪の金メダルを獲得することが唯一の目標だったんだ。すべてやりつくした。レジェンドとして扱われるのはすごいことだ。それでも、両親の支えがなければ、ここまでのことはできなかっただろう」

 また観客から受けた歓声について、ボルトは「これほどまでとは思ってもみなかった。すごいことになるとは思っていたけれど、スタジアムに詰め掛けた皆さんが声援を送ってくれた。それには感謝している」と話した。

「自分の成し遂げたことが彼らにとって大きなことだったのが、大会を見に来てくれた皆さんを見て分かった」 (c)AFP