【6月10日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、ホワイトハウス(White House)で記者会見し、先月に連邦捜査局(FBI)長官を解任したジェームズ・コミー(James Comey)氏が自身との会話内容について前日の上院公聴会で虚偽の証言をしたと非難し、この会話について自ら宣誓して証言する用意が「100パーセント」あると表明した。

 コミー氏による上院情報特別委員会(Select Committee on Intelligence)での爆弾証言について、トランプ氏が記者らに語ったのは初めて。コミー氏は公聴会で、トランプ氏はうそつきであり、自身はロシアの大統領選介入疑惑の捜査を理由に解任されたと証言していた。

 トランプ大統領は記者会見で、選挙戦で自身の側近らとロシアが共謀して選挙結果に影響を与えようとした疑惑や、同疑惑に対する捜査の妨害をトランプ氏が試みた疑いについて「共謀も妨害もない」と否定した。

 トランプ氏は、自身との会話内容を書きとめたメモを間接的に記者に渡したコミー氏を「情報漏えい者」と批判。同氏の弁護士も、情報漏えいを理由にコミー氏を訴追すべきだとの見方を示唆していた。

 トランプ氏は「彼(コミー氏)の証言の一部は事実ではない」と述べ、ロシア疑惑を捜査する特別検察官に任命されたロバート・モラー(Robert Mueller)氏に宣誓を行った上で証言することができるかと記者に尋ねられると「100パーセント」と返答した。

 またトランプ大統領は、自身がマイケル・フリン(Michael Flynn)前大統領補佐官(国家安全保障担当)に対する捜査を中止するよう要請したという、コミー氏の証言の中心的位置を占めた主張について、「私はそれは言っていない」と述べ、「私がきょう読んだ皆の意見によれば、私がそう言ったとしても悪いことは何ひとつない。だが私は言っていない」と付け加えた。

 トランプ大統領の行動が弾劾につながり得る罪である捜査妨害に相当するかどうかについては、識者や法律専門家の間でも意見が分かれている。コミー氏は証言で、その判断はモラー特別検察官に委ねられていると述べていた。

 同大統領はまた、コミー氏が2人きりの会談で忠誠を誓うことを求められたとの証言に関しても「私は彼のことをほとんど知らない。『忠誠を誓ってほしい』などとは言わない」と否定した。(c)AFP