【6月9日 AFP】これまでしてきた最も「行儀の悪い」ことは小麦畑の中を駆け抜けたことだ――テリーザ・メイ(Theresa May)英首相のこの発言が、英総選挙で与党・保守党の過半数割れが確実となる中、ソーシャルメディア上で物笑いの種となっている。総選挙に踏み切ったことがリストの最上位に来るだろうと嘲笑されているのだ。

 英紙タイムズ(The Times)政治部のサム・コーツ(Sam Coates)副部長は「今や、小麦畑の中を駆け抜けたことは公式に、テリーザ・メイがこれまでしてきたことのうち2番目に行儀の悪いことになった」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 コメディアンのジェームズ・ジル(James Gill)氏は、「テリーザ・メイは今、小麦畑の中でかくれんぼしているんだよ」とツイートした。

 あげつらわれている発言は6日、選挙戦の遊説先で過去最大の「行儀の悪い」ことは何かと質問されたメイ首相が口にしたもの。英国国教会(Church of England)の司祭だった父を持つメイ首相は驚いて「えっ」と言ったきり絶句したが、回答を促され「実を言うと、昔よく友人と小麦畑の中を駆け抜けていて、農家の人たちにはあまりいい顔をされなかった」と語った。

 この告白については、でっち上げか見え透いた言い訳で庶民感覚のなさを浮き彫りにしているとの批判が出ていた。

 メイ首相は4月、欧州連合(EU)離脱をめぐる2年間の厳しい交渉を前に、保守党が過半数を握っていた議会での足場固めを狙って総選挙の前倒しを発表し、国民を驚かせた。しかし、保守党の獲得議席は330議席から314議席に減らす見通しで、過半数に届かないことが確実となった。

 サッカー元イングランド代表でテレビ解説者のギャリー・リネカー(Gary Lineker)氏は、サッカーのプレーになぞらえ「テリーザ・メイはオウンゴール賞を獲得したと思う」とツイートしている。(c)AFP