前FBI長官、米政権の「うそ」糾弾 公聴会で爆弾証言
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【6月9日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に解任された米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)前長官は8日、上院情報特別委員会(Select Committee on Intelligence)の公聴会に出席し、ホワイトハウス(White House)による「うそ」と「名誉毀損(きそん)」を批判するとともに、トランプ氏は正直さに欠け、大統領の規範を超えた振る舞いをしていると示唆する爆弾証言を行った。
コミー氏は上院議員の前で宣誓をした後、「FBI長官の解任は理由が全くなくても法律上は可能だが、現政権はその後、FBIが混乱しており、統率がとれておらず、またFBI職員らは指導者への信頼を失っていたと述べることで、私の、そしてさらに重要なことにFBIの名誉を毀損することを選んだ」と非難。「それは、明らかなうそだ」と続けた。
3時間近くに及んだ公聴会でコミー氏はさらに、トランプ大統領と2人きりで話をする機会が何回かあった際、大統領の行為が「非常に憂慮すべき」また「非常に懸念すべき」もので「衝撃を受けた」と証言した。
コミー氏は公聴会前日に公開された爆弾声明の内容をさらに発展させる形で、ホワイトハウスでの夕食の際、大統領から「忠誠」を求められたこと、そして犯罪捜査の対象となっていたマイケル・フリン(Michael Flynn)大統領補佐官(国家安全保障担当)の問題から「手を引く」よう要請されたことについても証言。
また、自分が解任された理由は「ロシアに関する捜査の方法を変えるため」だったとの見解を示し、「これは非常に深刻な事態だ」と指摘した。
コミー氏は、通常公表されることはない大統領との非公開会談の詳細を明らかにした上で、その内容の徹底したメモを取った理由として、トランプ大統領が会話に関し「うそをつく」ことを懸念していたと述べた。
コミー氏は、大統領の行為が司法妨害にあたるかどうかについては特別検察官が判断することだとの見解を示した。司法妨害であれば弾劾に至る可能性がある。(c)AFP/Paul HANDLEY/Andrew BEATTY