フィリピン南部の戒厳令、野党議員らが最高裁に差し止め請求
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【6月5日 AFP】フィリピンの野党議員らは5日、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が布告した南部ミンダナオ(Mindanao)島やその周辺全域における戒厳令は憲法違反だとして、最高裁に差し止めを請求した。
ドゥテルテ大統領は先月23日、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威が急速に高まっているとして、鎮圧を目的に住民およそ2000万人が暮らすミンダナオ島を含む周辺地域に戒厳令を敷いた。
戒厳令布告の数時間前、同島のマラウィ(Marawi)を襲ったIS系の武装勢力と治安部隊の間で発生した戦闘は現在も続いており、これまでのところ少なくとも178人が死亡している。
ドゥテルテ氏の今回の措置については同国のかつての独裁者、フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領の戒厳令と比較する声も出ている。野党議員6人による請求は、ドゥテルテ氏の戒厳令は「事実に基づく十分な根拠がまったく欠落している」ため、差し止められるべきだと主張している。さらに議員らは、
「不当で突発的な戒厳令の布告は憲法違反であり、抑圧や残虐行為、不正や汚職といった恐ろしい亡霊が再びフィリピン国民を苦しめている」と訴えた。(c)AFP