トランプ氏、襲撃発生のロンドン市長発言をやゆ 市長は冷たく一蹴
このニュースをシェア
【6月5日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、英ロンドン(London)で3日夜に発生した襲撃事件の直後に冷静さを呼び掛けたサディク・カーン(Sadiq Khan)市長に対し、テロの脅威を甘く見ていると批判した。これに対しカーン市長は、トランプ氏の発言に反応するよりも「もっと大事な仕事を抱えている」と取り合わなかった。
ロンドン橋(London Bridge)で3人の襲撃犯が車で歩行者をはね、その後バラ・マーケット(Borough Market)で複数の人が刃物で刺されるという事件が発生した数時間後、カーン市長は英BBCに対し、市民や来訪者らへのメッセージとして「きょうは冷静に警戒してほしい。武装警官、制服警官を含め、多くの警察官の姿を目にすると思うが、そのせいでおびえる理由はない」と語っていた。
これを受けてトランプ大統領はツイッター(Twitter)に、「テロ攻撃で少なくとも7人が死亡、48人が負傷したのに、ロンドン市長は『おびえる理由はない』と言っている!」とやゆのこもった批判を展開した。
カーン市長の報道官は声明を出し、市民や来訪者らに落ち着きを求めつつ、事件対応の調整で忙しい市長は、「文脈を故意に無視した、状況を十分に把握していないトランプ氏の投稿に反論するより、もっと大事な仕事を抱えている」と、トランプ氏の批判を切り捨てた。
トランプ氏の発言に対し識者らは、テロ攻撃の政治利用に当たる行為で、常とう手段になりつつあると非難した。(c)AFP/Brian KNOWLTON