【6月4日 AFP】輝かしいキャリアで初めてのタイトルを獲得した英カーディフ(Cardiff)の芝の上で、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)は2得点を挙げる活躍をみせ、レアル・マドリード(Real Madrid)の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)制覇に貢献するとともに、サッカー史に名を残す伝説的な選手としての地位をさらに固めた。

 ロナウドがまだ19歳だった2004年、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でFAカップ(FA Cup)を制し、キャリア初の主要タイトルを獲得したのが、この日の舞台と同じミレニアム・スタジアム(Millennium Stadium)だった。それから13年、ロナウドはウェールズの地に凱旋を果たし、世代最高の選手というだけでなく、サッカー史上最高の選手になるための階段をさらに上っている。

 アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)と対戦した2014年の決勝でも得点を記録し、同じ顔合わせとなった2016年大会決勝では優勝を決めるPKを成功させたロナウドだが、どちらも自身を印象付けるプレーは見せられず、さえないプレーには大きな批判が集まっていた。

 今回のユベントス(Juventus)との決勝は、ロナウドにとってアルフレッド・ディ・ステファノ(Alfredo Di Stefano)氏やヨハン・クライフ(Johan Cruyff)氏、長年のライバルであるリオネル・メッシ(Lionel Messi)といった大舞台でこそ本領を発揮してきた不滅の名選手たちと遜色のないことを示す絶好の機会だった。その機会で存在感をみせつけ、メッシと同じ通算4個目のチャンピオンズリーグ制覇を果たした今、その実力に疑問符をつける人はほとんどいなくなるだろう。

 今季は5シーズンぶりにリーグ制覇を果たしているレアルは、これで12回目の欧州制覇を達成し、ロナウドも自身20個目となる主要大会のタイトルを獲得した。チームを優勝に導き、さらにメッシを上回る大会12得点の成績で得点王に輝いたことで、ライバルに並ぶ自身5回目のバロンドール(Ballon d'Or)受賞も確実になったとみられている。

 ロナウドは「僕はいつもピッチの上で語ってきた。僕を批判する人たちは、ギターをケースにしまうべきだ。僕らはまた勝った。僕らがベストだ。個人としてもうれしい。2得点を決めてチャンピオンズリーグの得点王になれたんだから!」と快挙を誇った。

 過去の決勝では苦しんできたロナウドだったが、今季はリーグ戦9試合で休養を取っており、フレッシュかつ好調な状態で臨める今回は違うと試合前から自信を見せていた。そしてその言葉を証明するように、決勝では今季公式戦50得点目と51得点目を挙げてみせた。