【6月3日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の脅威に対抗するために、フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島沖の海域で今月から、同国とマレーシア、インドネシアの3か国が合同パトロールを開始する。マレーシアのヒシャムディン・フセイン(Hishammuddin Hussein)国防相が3日、明らかにした。

 フィリピン軍がミンダナオ島のマラウィ(Marawi)を2週間近く前に襲撃したISの関連組織を自称する武装勢力と戦闘を続ける中、シンガポールで開催されているアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ、Shangri-La Dialogue)に出席中のヒシャムディン国防相は、合同パトロールについてコメントし、3か国の国境が接する海域での合同パトロールを今月19日から開始すると述べた。その後、上空からのパトロールも開始するという。

 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は、武装勢力の襲撃を同国に拠点を築こうとしているISによる大規模な攻撃の開始だとし、戦闘が続く危機的状況を受け、ミンダナオ島に戒厳令を布告した。

 安全保障の専門家らは、ISは東南アジアに「カリフ制国家」を築く計画の一環として、ミンダナオ島に「州」を作ろうとしていると分析している。(c)AFP