フィリピン首都のカジノ襲撃、火災で37人死亡 当局はテロ否定
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【6月2日 AFP】(更新、写真追加)フィリピンの首都マニラ(Manila)にあるカジノ施設「リゾーツ・ワールド・マニラ(Resorts World Manila)」で2日未明、銃で武装した男が賭博室に放火した事件で、地元警察は、火災により発生した有毒な煙を吸い37人が死亡したことを明らかにした。事件についてはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したが、当局はテロ攻撃ではないと主張している。
事件が起きたのは、ニノイ・アキノ国際空港(Ninoy Aquino International Airport)の主要ターミナルから通りを挟んだ場所にあるカジノ施設。
マニラ首都圏警察のオスカル・アルバヤルデ(Oscar Albayalde)本部長は、「容疑者は白色人種のようだ。英語を話し、体格のよい白人であるところからみて、おそらく外国人だろう」と報道陣に語っている。
ロナルド・デラロサ(Ronald Dela Rosa)国家警察長官は、襲撃犯は事件直後に火災の煙と逃げ惑う人びとに紛れて姿を消していたが、ホテルや商業施設が入居する建物内での5時間に及ぶ警察の捜索により、夜明け前にホテルの一室で遺体となって発見されたと明らかにした。同長官は「犯人は厚手の毛布をかぶった姿でベッドに横になっていた。ガソリンを毛布にかけ、自ら火を付けたようだ」と語った。
デラロサ長官や他の警察幹部は、襲撃犯はテロ行為を実行したのではないと主張し、人に向けた銃撃がなかった点を指摘。「狂った」男が試みた奇怪な強盗未遂事件だったようだとの見解を示している。デラロサ長官は報道陣に対し「これはテロ行為ではない。テロリズムにつながる、暴力や脅迫、威嚇といった要素がない」と話した。
さらに同長官は、カジノを襲撃した男は単独犯とみられ、リュックサックに1億1300万ペソ(約2億5000万円)相当のチップを詰め込んでいたと明らかにしている。
その一方、地元警察のトーマス・アポリナリオ(Tomas Apolinario)署長はAFPの取材に対し、賭博室の床に敷いてあったカーペットのため、火がすぐに燃え広がり、火事による煙を吸引して37人が死亡したと明らかにした。
また施設から脱出しようと人びとが殺到し、数十人が負傷。デラロサ長官の話によれば負傷者54人のうち18人が病院で手当てを受けているが、それ以外の負傷者は軽傷だという。
地元DZMMラジオの取材に応じたカジノの従業員は、「休憩後に3階へ戻ろうとしたら人びとが走って逃げているのが見えた。何人かの宿泊客が、誰かがISIS(ISの別称)だと叫んだと言っていた」と語った。
またこの従業員は、「煙の臭いを感じて、駐車場の出口に向かおうと決めた。そこから脱出できた。外に出た時に銃声が2発聞こえ、1階は煙で充満していた」と述べた。(c)AFP/Ayee Macaraig