【6月1日 AFP】(更新)フィリピン軍当局は1日、イスラム武装勢力を狙った同国軍の空爆により、この勢力と戦闘を続けている兵士11人が死亡し、7人が負傷したと明らかにした。

 デルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)国防相は首都マニラ(Manila)で報道陣に対し、「とても痛ましい。我々の軍隊に命中するなんてとても悲しいことだ」と話す一方、「悲しいが戦場の混乱の中では時折起こることだ」と述べた。

 当初、国防相は兵士10人が死亡したと発表していたものの、レスティトゥート・パディージャ(Restituto Padilla)軍報道官は後に、死者は11人だったと確認した。

 フィリピンの治安部隊は先月23日以降、南部ミンダナオ(Mindanao)島のマラウィ(Marawi)市内でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓うグループと戦闘を繰り広げている。国民の大半をカトリック教徒が占めるフィリピンにおいて、マラウィはイスラム教徒の多い都市として知られている。

 フィリピン軍は武装勢力メンバーが人質を取って潜伏しているマラウィの住宅街に向けて、戦闘ヘリコプターで繰り返しロケット弾を撃ち込んでいる。地元当局によると民間人およそ2000人が現在も武装勢力の支配地域にとどまっているという。

 軍幹部らは当初、攻撃では「正確」で「精密」な空爆が行われていると繰り返し説明し、取り残されている住民や人質を一切傷つけていないと強調していた。(c)AFP