【6月5日 東方新報】中国では、QRコードを利用した電子マネーであるアリペイ(Alipay)とウィチャットペイ(WeChat Pay)が普及している。市場、ショッピングモール、レストラン、タクシーで使用するなど、QRコードが人々の生活を支えていると言っても過言ではない。しかし、QRコード式の決済は大変便利だが、それを利用した詐欺事件も増えているという。

 中国の法制日報(Legal Daily)によると、北京(Beijing)市海淀(Haidian)区に住む賈さんも、詐欺に遭ったひとりだ。去年12月、旅行先でタクシーを拾って駅に向かっていた。料金の45元(約730円)を現金で支払うつもりだったが、運転手に「おつりが出せないから、QRコードで支払ってくれ」と言われ、助手席の取っ手に張ってあるQRコードから支払いを済ませた。

 しかし、運転手が「支払いの確認が取れない、どのQRコードをスキャンした」と聞くので、シールを指すと、運転手は驚いた顔をして「そのシールは支払い用のQRコードではないうえに、誰がいつ張ったのかわからない」という。仕方なく現金でタクシー代を支払ったが、運転手が本当に何も知らなかったのかは今となっては定かではないという。

 中国の自転車シェアリングサービス「摩拝単車(Mobike、モバイク)」でQRコードを使った詐欺も発生している。モバイクは、専用アプリから空いている自転車を見つけ出し、自転車備え付けのQRコードをスキャンすると、ロックが解除されるという仕組み。しかし自転車のQRコードの上に、偽のQRコードのシールが張られていて、読み込んでしまうとフィッシングサイトに飛び、支払いの画面が現れる。支払いをタップしてしまうと、犯人の口座に送金されてしまうというもの。きわめて単純な手口だが、騙されてしまう人が増えている。(c)東方新報/AFPBB News