霊安室の遺体切って体内の薬物盗む、病院職員2人を逮捕 タンザニア
このニュースをシェア
【5月28日 AFP】タンザニアの経済中心都市、ダルエスサラーム(Dar es Salaam)で、病院の霊安室に安置された遺体を切って胃の中にあった違法薬物を盗んだとして職員2人が逮捕された。現地警察が27日、明らかにした。
警察発表によると、ダルエスサラーム市内の病院の霊安室で働いていた2人は1週間前、安置されていた男性の遺体の体内から薬物を取り出す目的で男性の遺体を切り裂き、胃部から違法薬物カプセルを取り出したことを認めた。2人はカプセル32個をビジネスマンに売却し、それをこのビジネスマンが麻薬密売人とみられる男に転売。この2人も逮捕されたという。
遺体の男性はガーナ国籍で、ダルエスサラーム市内のホテルの客室で遺体で発見されて逮捕された職員が勤務していたムワナニャマラ(Mwananyamala)地区の病院に搬送されていた。死因は薬物の過剰摂取だったという。
麻薬密売人らは薬物の運搬手段として「運び屋」をよく利用している。「運び屋」は、薬物を詰めた小さな密閉袋をのみ込んだり胃に挿入したりして薬物を隠したまま運ぶ。だが、この手段は確実な薬物運搬方法とはなっていない。薬物入りの袋が胃酸で溶けて「運び屋」が薬物の過剰摂取に陥るリスクが高いためだ。遺体の男性もこれが原因で死亡したとみられる。
アフリカ東海岸はかねて、アジアや欧州向け薬物密輸の経由地とされてきた。通称「スマック・トラック(Smack Track、ヘロインの道)」と呼ばれる密輸ルートはアフガニスタンからパキスタンとイラン南部にまたがるマクラーン海岸(Makran Coast)を経て、さらにインド洋(Indian Ocean)を渡って東アフリカに到達するもので、中央アジア(Central Asia)とバルカン半島(Balkans)を通過する一般的なルートに代わるものとして密輸に利用されている。(c)AFP