【5月27日 AFP】ボルシア・ドルトムント（Borussia Dortmund）のピエール・エメリク・オーバメヤン（Pierre-Emerick Aubameyang）は、27日のサッカードイツカップ（German Cup 2016-17）が同クラブでは最後のプレーになるのではないかと臆測が飛び交う中、初のタイトル獲得を目指す。

　ドルトムントはベルリン（Berlin）のオリンピアシュタディオン（Olympiastadion）で行われるフランクフルト（Eintracht Frankfurt）との一戦で、3年連続で敗れている決勝戦での勝利を目指している。

　ドルトムントの主将を務めるマルセル・シュメルツァー（Marcel Schmelzer）は、「この3年間、ベルリンからの帰り道は、いつも手ぶらで帰路に就かなければならなかった」と独日刊紙ウェルト（Die Welt）に対して語った。太ももに負傷を抱えるものの、決勝出場を願うシュメルツァーは「また優勝するべき時がきた」と付け加えた。

　しかしながらこの一戦は、オーバメヤンとトーマス・トゥヘル（Thomas Tuchel）監督にとっては、ドルトムントでの最後の試合になる可能性もある。

　イタリアやフランス、中国から高額オファーが届いていると伝えられているオーバメヤンはドルトムントでの今後について問われると、「決勝のあとにクラブと話し合って、決断を下す」と応じている。

　今季31得点でリーグ得点王に輝いたオーバメヤンは2020年まで契約を残しているものの、クラブの上層部に対して退団の希望を伝えていると独紙ビルト（Bild）は報じている。

　2013年に移籍したオーバメヤンにとっては、今回のドイツ杯がドルトムントでの最初で最後のトロフィーとなる可能性もある。報道によるとACミラン（AC Milan）やパリ・サンジェルマン（Paris Saint-Germain、PSG）、そして週給が50万ユーロ（約6200万円）ともいわれる天津権健（Tianjin Quanjian FC）がオファーを出しているという。

　2014年にはロベルト・レワンドフスキ（Robert Lewandowski）がライバルのバイエルン・ミュンヘン（Bayern Munich）に移籍金無しで移籍していることもあり、ドルトムントはオーバメヤンが退団を決めるのであれば、現金化を狙うとみられる。

　同様にトゥヘル監督も、2シーズン指揮したチームの最後の試合を見守ることになる。

　トゥヘル監督は、4月11日にチームバスが爆発事件に遭遇した翌日に欧州チャンピオンズリーグ（UEFA Champions League 2016-17）準々決勝第1戦に臨むかどうかで相談を受けなかったとして、ハンス・ヨアヒム・ヴェツケ（Hans-Joachim Watzke）最高経営責任者（CEO）と仲たがいとなっていた。

　ヴェツケCEOはそういった事実はないとした上で、決勝戦の後に誤解を解くための話し合いを持つと明かしている。

　また、トゥヘル監督は試合前日の記者会見で、「考えているのは決勝のことだけ。他のことは役に立たない」と語っている。

　ドルトムントは2014年の決勝で延長の末にバイエルンに0-2で敗れると、その翌年は1-3でVfLボルフスブルク（VfL Wolfsburg）に屈し、昨年はPK戦の末に再びバイエルンにタイトルを譲った。(c)AFP