【5月25日 AFP】英中部マンチェスター(Manchester)で起きた爆破事件で使われた爆弾の残骸を写した写真が、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)により公開された。強力な火薬と、ナットやねじといった金属片が、最大限の被害を生むよう細心の注意を払って詰め込まれていたことを示している。

 写真は同紙が独占入手したもので、全8枚。出所は明らかにされていないが、22日に起き22人が死亡した事件の現場となったマンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)で警察が撮影したものとみられる。

 同紙によれば、現場写真のさまざまな要素を踏まえた現時点での所見として、サルマン・アベディ(Salman Abedi)容疑者と特定された自爆犯が「熟慮の上で慎重に製作した自作の装置」を使用したことが示唆されている。装置はリュックサックの中に隠していた可能性が最も高いが、ベストに入れていた可能性もあるという。

 現場からは手動の起爆装置が見つかっているが、これが作動しなかった場合のため、容疑者、あるいは容疑者を支援していたチームが遠隔起爆装置を用意していたことも、写真から推測できる。

 同紙は、事件で使われた爆発物の種類や威力については現時点で詳しく分かっていないものの、犠牲者と容疑者の遺体があった場所などを踏まえると「強力で、爆速の高い火薬が使われたことと、金属片が入念に、偏りなく詰め込まれていたことが示される」としている。(c)AFP