【5月24日 AFP】オランダで先月死亡した不妊治療クリニックの院長が体外受精(IVF)による不妊治療で自分の精子を使用し少なくとも19人の子どもが生まれていた可能性が高いというDNA鑑定結果が23日、発表された。

 DNA鑑定を実施したオランダの望まない妊娠や生殖医療などの専門機関FIOMによると、今年4月に89歳で死去した不妊治療クリニック院長ヤン・カールバート(Jan Karbaat)氏の嫡出子と体外受精で生まれた19人から提供を受けたDNAを比較したところ、「嫡出子のDNAが19人の異母兄弟姉妹たちのDNAと合致した」という。

 FIOMのエレン・ヒープマンス(Ellen Giepmans)理事長は、鑑定を続けてカールバート医師とその摘出子のDNAが100%一致することを確認するべきだと述べた。

 カールバート氏のクリニックでの体外受精で生まれた子どもとその親計23人が今月、DNA鑑定を求める訴えを集団で起こし、大きく報道されていた。

 訴えを起こした23人は、体外受精にドナーの精子ではなくカールバート医師自身の精子が使われた疑いがあると主張している。カールバート医師の家族の弁護士はこの主張を強く否定し、同医師の家族のプライバシー権を尊重するよう裁判所に求めている。

 裁判所は今月2日、訴えを起こした家族らの求めに応じてカールバート医師の委託から歯ブラシなどを押収したがDNA鑑定はまだ行われていない。裁判所はDNA鑑定についての判断を来月2日に下す見通し。(c)AFP