【5月16日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は16日、東南アジア諸国連合(ASEAN)へのトルコとモンゴルの加盟を後押していく意向を示し、地理的な位置に関する懸念に対しては一蹴する姿勢をみせた。

 ドゥテルテ大統領によると、中国・北京(Beijing)で行われた「一帯一路(One Belt One Road)」構想に関する国際会議に出席した際、トルコとモンゴルの首脳らがASEANに加盟したいとの意向を伝えたという。

 今年、持ち回りでASEAN議長国となっているフィリピンは、北京での国際会議に合わせ、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領、モンゴルのジャルガルトラギン・エルデネバト(Jargaltulga Erdenebat)首相と個別に会談していた。

 ドゥテルテ氏はフィリピンで記者団に対し「彼らはASEANへの加盟を望んでいる。今は私が議長なので、加盟を後押してほしいと言われた。そして『ええ、もちろんだ』と言った」と述べた。

 またドゥテルテ氏は、今回の国際会議に同じく参加したミャンマーのアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問から、トルコとモンゴルのASEANへの加盟を後押しすると決定する際、地理を考慮したのかと問われたと明かし、それに対して両国はこの地域の一部だと主張したと述べている。

 ASEANの加盟国は、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10か国。地理的な位置は、他の加盟国の承認と並んで、ASEAN加盟の第一の条件となっている。

 一方、インドネシアに本部があるASEAN事務局に対しコメントを求めたところ、これまでのところ返答は得られていない。(c)AFP