【5月16日 AFP】精子に含まれるタンパク質が原因で、少なくともキイロショウジョウバエでは、雌の個体が餌をめぐって激しいけんかを始める可能性があるとする異色の研究論文が15日、発表された。

 論文によると、研究室内での実験では、キイロショウジョウバエの雌は交尾後、互いに対して以前より著しく攻撃的になり、餌の酵母ペーストをめぐるけんかで「しばしば互いに頭突きをしたり、たたき合ったりしていた」という。

 論文を発表した英オックスフォード大学(University of Oxford)の研究チームは、交尾を経験した雌のキイロショウジョウバエが経験前のキイロショウジョウバエに比べて、はるかに長時間にわたるけんかを起こし、それが大げんかに発展する可能性も高いことを発見した。

 今回の論文の主題は一見するととっぴに感じられるかもしれないが、生物学者らの間で広く支持されている「雌対雌の攻撃性の高まりは、子のための餌をめぐる争いによって引き起こされるもの」とする基本前提に異を唱えている。

 今回の最新研究では、交尾で子が生まれたかどうかに関係なく、キイロショウジョウバエの雌が交尾後に凶暴になることが分かった。

 これは「雌の明らかな気性の変化において、繁殖は要因になっていない」ことを意味すると、研究チームは結論づけた。

 またこのことは、雌を凶暴化させたのが、交尾の行為自体もしくは精子で運ばれた何かであることを示唆していた。