地下墓地でミイラ17体見つかる、エジプト中部では「前代未聞」
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【5月14日 AFP】エジプト中部ミニヤ(Minya)県の砂漠地帯で地下墓地からミイラ17体が見つかった。エジプト考古省が13日に発表した。首都カイロ(Cairo)南方の同地においては「前代未聞」の発見だという。
考古省の発表によると、ミニヤ県トゥーナ・エル・ゲベル(Touna-Gabal)地域でエジプトの考古学チームが地下墓地内の通路を奥へと進んでいったところ、複数の回廊に横たえられていたミイラ、計17体を発見した。これらのミイラは王家のものではないという。この他に金板1枚、古代エジプトの民衆文字「デモティック」が書かれたパピルス2枚、石灰岩や粘土製の石棺が多数に動物や鳥のひつぎなども見つかっている。
ミイラの年代はまだ特定できていないが、考古省は、アレクサンダー大王(Alexander the Great)に征服される紀元前332年までのエジプト王朝末期の300年間に属するものとしている。また、同省報道官がAFPに語ったところによると、アレクサンダー大王の部将だったプトレマイオス(Ptolemy)が後継として築いたプトレマイオス朝(Ptolemaic Dynasty)のものである可能性もあるという。
エジプト当局者らは、同地で王家に属さない民間人のミイラが見つかったのは今回が初めであり、発見は前代未聞だと評した。
エジプトの専門家も、発掘現場近くで開かれた記者会見で「これほど多くのミイラが埋葬された共同墓地が発見されたのは、エジプト中部では初めてだ」と述べ、同地では今後も多くのミイラがみつかる可能性があると付け加えた。
エジプトでは今年4月にも南部ルクソール(Luxor)で3500年前の墓から王族のミイラ8体が見つかっている。(c)AFP/Haitham El-Tabei