米司法長官「犯罪者には可能な限り重い刑を」、前政権方針を覆す
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【5月13日 AFP】米国のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官は12日、刑事事件の容疑者に対し可能な限り最も重い刑罰を求刑するよう検察官らに命じた。薬物使用者や非暴力事件の容疑者については過重な刑罰を科すことをなくす方針を掲げていたバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の政権の政策を覆す形となる。
セッションズ司法長官は国内の検察官に宛てた2ページに及ぶ通達の中で、訴追を行う際には法廷で証明し得る可能な限り最高の刑罰を適用すべきだと述べている。
また今回の措置は全米の都市で増加している暴力犯罪に対処するために必要で、薬物使用にも適用するとし、新たな方針は「わが国の司法制度の尊重を促す」ものだと述べている。
さらにセッションズ司法長官は、ニューヨーク(New York)で開かれた警察の会合で、この措置は「米国の安全を守るという(ドナルド・)トランプ(Donald Trump)大統領の公約の重要な部分」であり「われわれは議会を通過した法の執行に立ち返るだけで、単純明快だ」と語った。
しかし、前司法長官のエリック・ホルダー(Eric Holder)氏を筆頭とする反対派はこの動きを激しく批判し、1980~90年代の麻薬流行期に貧しいアフリカ系、ヒスパニック系住民に集中して適用された、過酷な強制的最低量刑が復活する恐れがあると懸念している。(c)AFP/Paul HANDLEY