【5月13日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は12日、ツイッター(Twitter)への投稿で、自らが解任した連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)前長官に対し、報道機関に情報を漏らさないよう警告した。

 昨年の米大統領選でのトランプ陣営とロシアの結託疑惑を捜査中だったコミー氏を突然解任したことで批判の矢面に立たされているトランプ大統領は、同日朝のツイッターへの連続投稿で、激しい攻勢を展開。

 コミー氏解任の理由をめぐるホワイトハウス(White House)の説明が一貫していないと指摘するメディア報道に猛反発し、政権の報道官らに完全な正確さを求めるのは間違っていると主張した上で、約1世紀前のウッドロー・ウィルソン(Woodrow Wilson)政権時代から何らかの形で行われてきたホワイトハウス伝統の定例会見を廃止する可能性を示唆した。

 また、「ジェームズ・コミー氏は報道機関に情報を漏らし始める前に、われわれの会話を録音した『テープ』がないことを願ったほうがいい」と投稿し、2人の間での個人的な会話について報道機関に話した場合は報復もあり得ることを示唆。

 さらに次の投稿では話題をロシアに戻し、トランプ陣営とロシアの共謀はなかったと認識していると述べたジェームズ・クラッパー(James Clapper)前国家情報長官の発言に言及し、「クラッパー氏自身や、この魔女狩りについて把握している事実上全ての人々が、共謀はなかったと言っているのに、いつになったら終わるのか」と述べた。

 トランプ大統領による一連の激しい投稿を受け、ウォーターゲート(Watergate)事件で辞任に追い込まれたリチャード・ニクソン(Richard Nixon)元大統領の政権とトランプ政権との類似性を指摘する声が改めて噴出している。ニクソン氏は自身の会話を録音していたことで知られ、この慣習はウォーターゲートスキャンダルを加速させる一因となった。

 ショーン・スパイサー(Sean Spicer)大統領報道官は12日の定例会見で、トランプ氏が大統領執務室の会話を録音している可能性について繰り返し質問を受けたものの、かたくなに回答を拒否。一方で、トランプ氏の投稿はコミー氏に対する脅迫ではないと述べた。(c)AFP