米軍の無人機、約2年の宇宙滞在終え地球に帰還
このニュースをシェア
【5月11日 AFP】米軍の最高機密ともいわれるスペースシャトルに似た無人機「X-37B」が、およそ2年にわたる軌道滞在の任務を終え、フロリダ(Florida)州にある米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センター(KSC)に帰還した。このシャトルの使命はいまだ謎に包まれており、数々の憶測が飛び交っている。
米空軍の発表によると、X-37Bは4回目となった任務で718日間に及ぶ軌道周回を終え、7日に無事着陸した。小型のスペースシャトルのような見た目のX-37Bは、全長9.1メートル、翼幅はその半分ほどで、2010年に初飛行して以来、真の目的をめぐってさまざまな憶測を呼んでいる。
地上を標的にした宇宙からの爆撃機ではないか、または諜報(ちょうほう)活動に使われているのではないかなどと推測する声も上がっているが、専門家らはX-37は兵器のようなものではなく、米空軍が数少ない声明の1つで述べているように、何らかの「試験台」として利用されている可能性が高いとみている。
具体的には、X-37Bはセンサーや装置の宇宙空間での試験に利用されていると専門家らは考えている。米企業ロケットダイン(Rocketdyne)は、今回の飛行でX-37Bは、人工衛星の宇宙での移動に使われるイオンエンジンの試験を行ったと発表している。(c)AFP/Laurent BARTHELEMY