■あきらめない!

 議員で環境活動家のエディー・チュー(Eddie Chu)氏は、香港の土地住宅政策は「既得権を持つ集団や組織」の意向を反映したものだと批判する。議員に立候補して以来、殺害予告を受けてきたチュー氏は、政府、経済界、地元有力者、三合会(香港を拠点とする犯罪組織の総称)はつながっていると示唆した。

 横洲の村民たちは議員らに涙ながらに訴えた。住民の一人、ロウ・クエンさんは昨年11月、議会で「政府は地域の有力者とこうした裏交渉をするだけで、実際にここで暮らす人たちの意見に耳を貸さない。私たちをごみのように排除している」と述べた。

 矢面に立たされている地方の村は横洲だけではない。

 香港北東部の別の開発計画に対する抗議運動では、香港立法会(議会)の議事堂にデモ隊がなだれ込む事態も起きている。

 こうした開発計画によって村人6000人が影響を受けるおそれがある。

 北東部の馬屎埔(Ma Shi Po)村に定住して3世代目になるベッキー・アウさん(31)は「地方や農地がすべて政府による開発のターゲットにされてしまったら、われわれはどこに行けばいいのか?」と語った。

 横洲の村人で活動家でもあるパトリック・チェンさん(29)は、政府がやっていることは地方の村落を立ち退かされた人々のために、別の公共住宅をつくろうとしているだけだと語った。(c)AFP/Elaine YU