【5月9日 AFP】フランスのマニュエル・バルス(Manuel Valls)前首相は9日、来月行われる議会選で、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)次期大統領(39)が率いる中道政治運動の公認候補として出馬したい意向を示した。

 左派与党・社会党(PS)に所属し、マクロン氏が経済相を務めた際に首相だったバルス氏によるこの発表は、大統領選でマクロン氏が極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏に圧勝を収めた後の仏政界の勢力図が、いかに大きく動きつつあるかを象徴するものでもある。

 バルス氏は現地のラジオ・テレビ・ルクセンブルク(RTL)のインタビューで、「大統領派の過半数に加わる候補を目指す考えから、マクロン氏の政治運動の(候補者)リストに名を連ねたい」と言明。

 さらに、「私が左派で、今後も社会主義者であり続けるがゆえに、30年に及ぶ私の政治家生命を絶つつもりはない」、「エマニュエル・マクロン氏に成功してもらいたい」とも発言した。

 マクロン氏は自身の政治運動の名称を、これまでの「前進(En Marche)」から「共和国前進(Republique en Marche)」に改めたばかり。同団体がバルス氏を候補として公認するどうかは、現時点では明らかになっていない。

 マクロン次期大統領は、同国の伝統的な左右を主軸とする二大政党制からの脱却を掲げている。これに対しバルス氏は、低支持率のまま近く退任するフランソワ・オランド(Francois Hollande)現大統領との分かち難い関係性が指摘されている。(c)AFP