「カエルのペペ」永眠...極右の象徴にされた漫画キャラ、作者が死なす
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【5月9日 AFP】極右主義者らに乗っ取られ、人種憎悪の象徴になった漫画キャラクター「カエルのペペ(Pepe the Frog)」が、現状を憂いた作者自身の手で「殺され」た。
ペペはマット・フュリー(Matt Furie)氏のインターネット漫画「ボーイズ・クラブ(Boy's Club)」に2005年に登場。漫画の中ではたわいないキャラクターだったが、その後、白人至上主義者や極右の憎悪集団がナチス・ドイツ(Nazi)の独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)や米白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」のメンバーに仕立てて使うようになった。
フュリー氏は、ひつぎの中に横たわるペペを描いた短い漫画を公開。作中では、ボーイズ・クラブのキャラクターたちがペペの死を悼んでいる。
フュリー氏は以前、「ものすごくご機嫌で(中略)穏やかなカエルくん」であるペペが、いわゆるオルト・ライト(オルタナ右翼)たちに乗っ取られ、インターネット上やデモ活動で彼らのマスコットにされていることを嘆いていた。
ペペは昨年、米国最大のユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」から、ナチスの鉤(かぎ)十字やKKKの「血の滴の十字」などとともに憎悪の象徴に指定された。
さらに昨年の米大統領選の期間中には、映画『エクスペンダブルズ(The Expendables)』のポスターを模して作られた画像の中に、共和党候補だったドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(現大統領)と並んで使われた。
画像ではタイトルに当たる部分が、民主党候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏がトランプ氏支持者らの偏見を批判した発言からとって「ディプローラブルズ(The Deplorables、嘆かわしい者たち)」と変えられている。トランプ氏の息子であるドナルド・ジュニア(Donald Jr)氏はこの画像をインスタグラム(Instagram)に投稿した。(c)AFP