【5月8日 AFP】イスラエル政府は7日の閣議で、自国を「ユダヤ人の民族的郷土」と定義し、アラビア語を公用語から外すとする法案を承認した。

 現地日刊紙ハーレツ(Haaretz)によると、同法案が法制化されるとアラビア語は公用語ではなくなるが、特別な位置付けが与えられ、またパレスチナ人をはじめとするアラビア語話者にはアラビア語対応の行政サービスを受ける権利が付与されるという。

 さらに法制化後は憲法に相当するいわゆる「基本法」の一部になるという同法案の中で、ヘブライ語は「国語」と規定されている。

 イスラエル人口の約17.5%はアラブ系住民だが、現在ヘブライ語とアラビア語で対応されている公共の標識や掲示、行政サービスなどが、この法案により変更されるのかどうかは明確になっていない。

 現在のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)政権はイスラエル史上最も保守強硬派とみなされており、アラブ系イスラエル人らは人種差別が横行していると訴えている。

 イスラエル議会でアラブ統一会派を率いるアイマン・オデ(Ayman Odeh)議員は政府の法案承認について、少数民族の権利を踏みにじることを意味すると非難し、「法的にわれわれの立場を二流市民へと一変させるもの」だと糾弾した。(c)AFP