米テキサス州知事、移民保護する「聖域都市」禁止法に署名
このニュースをシェア
【5月8日 AFP】米テキサス(Texas)州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)知事は7日、不法移民に寛容な「サンクチュアリシティー(聖域都市)」を禁止する法案に署名した。これにより、同州では警察が身柄を拘束した人物の在留資格の有無を調べることが可能になる。また、連邦当局への協力を拒んだ保安官は逮捕される可能性がある。
アボット知事は、フェイスブック(Facebook)のライブ動画配信「フェイスブックライブ(Facebook Live)」で法案への署名の模様を中継。署名に際し、「市民は警察官に法の執行を期待しており、法を犯した者に法的責任を負わせる資格がある」「テキサス州の住民はわれわれに自分たちの安全を維持することを期待している。それこそ、われわれが行おうとしていることだ」と述べた。
新法では、州内の都市が聖域都市を宣言することを禁止している。地元の警察官は同法に基づき、連邦当局の要請に応じて犯罪容疑者の身柄を拘束し、場合によっては強制送還しなければならない。
州内有数の大都市であるヒューストン(Houston)とダラス(Dallas)の市警トップは前週、地元警察当局にとって「負担」となる措置だと指摘していた。また、この新法を利用して中南米系を中心としたマイノリティー(社会的少数派)に対する差別が起きると批判する声も出ている。
法案をめぐっては州内で抗議デモが相次ぎ、知事室内での座り込みなども起きていた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、自身の推進する強硬な移民政策に反対する聖域都市を激しく非難。ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官も、聖域都市が暴力的な犯罪者である不法移民を野放しにしていると批判している。(c)AFP